1. |
DNAマーカーを開発するための株や妥当性を検証するための株が定義されていないため、以下の問題が生じている。
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(1)
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どこに何の株が管理されているか情報が一元化されていない。
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(2)
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学術要素の強いジーンバンクと県などで管理する品種株など、株が多くの機関で管理されている。
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(3)
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DNAマーカーの開発時、大半の研究者は各研究室にある学術株をベースに開発している。
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(4)
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DNA鑑定の結果、生産者の品種が違うと判定された場合、誰のためのDNA鑑定であるかと社会問題になる。
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これらの問題を解決するためには、行政主導で、どこに何の品種が管理されているかなどの情報をデータベース化する必要がある。そうすれば、一元化して基準株や品種が定義できるため、品質の良いDNAマーカーを開発することができ、別の株でマーカー開発をやり直すなどの研究の二重投資を避けることができる。
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株の種類と定義
株のタイプ |
内容 |
学術株 |
学術資源としての株 |
基準株 |
品種の基準となっている株 |
生産者株 |
生産者が商品を生産している株 |
一般株 |
スーパーなど流通で売られている流通株 |
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2. |
商品は毎年生産されるため、毎年、品種識別マーカーのチェックをおこなう必要がある。また、小麦などは、前年度の生産ロットとDNA鑑定が異なるケースも考えられるため、年産ごとに一定期間保管しておき、その年の生産物と比較してDNA鑑定を行うなど、新たな研究アプローチも必要である。
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